冷涼感ある空調服の未来

今日の日経新聞の社会面に熱中症対策の必需品として空調服を発明した市ヶ谷氏の関連記事が紹介されていた。興味があったので特許庁の検索システムで特許について調べてみたら、同氏はソニー在職中のものを含め200件近く特許出願しており、発明家・アイデアマンであり、実業家でもあることがわかった。

 

空調服については日中暑い外で働く人の作業服に涼風をということから1996年の夏に開発を思い付き、製品化を図ったという。衣服に関する特許もいくつか取得している。例えば特許第3,173,510号が該当するのではないか。当初は生地に設けた通路に水を供給し、気化によって冷却する冷却衣服であったが、生地の背中に当たる部分に設けた半径約5cmの2個のファンで風を取り入れ、汗が気化する際に体温を下げて冷涼感を生むようにしたとのこと。しかし、製品化は図ったものの売り出してみたらファンが壊れ易く、また充電池もすぐ切れてしまい、トラブルが続出したという。しかし、ファンを改良して課題を解決し、市場のニーズがあることもあって徐々に売り上げを伸ばし、今では夏場に着る作業服には欠かせないものとなっているのだという。

 

それでは作業服以外の一般に着る夏用スーツなどはその対策があるのであろうか。まさかファンを取り付ける訳にもいかない。今流行の携帯型ファンを持ち歩くのも煩雑である。そのため、これからどんどん地球の温度が上昇することを思えば、スーツなどでは生地の素材の改良以外にはないのではないだろうか。素材自体に冷涼感があり、人間が快適に感じる体温度に調節可能なもので、着心地もよければファンなどを設けなくとも涼しさを感じるであろう。そのような生地の開発を望みたいものである。