力士とケガ

横綱稀勢の里がケガを原因として引退をしましたが、稀勢の里だけではなく最近の力士はケガが多い。先場所ですらケガで休場した幕内力士を数えると何と7人もいる。まさに異常事態です。
 
力士がケガをすると、古手の親方衆は決まって「稽古が足りないからだ」と言うそうです。つまり足腰を鍛えていないからということでしょう。しかし稽古だけではないような気がします。近年は他の力士よりも大きくなって優位に立ちたいからなのか太りすぎです。特に大きくお腹が出たアンコ型の力士が多くなってきているのに驚かされます。
 
NHK相撲解説者の北の富士さん(元横綱)は「力士の体は、そろそろ限界なんじゃないか」と繰り返し言っています。逸ノ城のように体重が230Kg近い力士もいます。それは食事も関連すると思いますが今の力士はあまりにも太りすぎて、自分の体の動きをうまくコントロールできなくなってきているからだと思います。どうしたらケガを少なくすることができるのか。それは体をもう少しスリム化して均整のとれた体形にすること、自分の体重を支える下半身が強くなるようにしっかり稽古して鍛えること、に尽きるのではないでしょうか。
 
均整のとれた体形でケガの少ない力士として名前が思い浮かぶのは、古くは初代若乃花、近年では元横綱日馬富士です。両力士に共通するのは、決して体が大きくなく、むしろ今の力士に比べると小柄であるにも係わらず足腰がめっぽう強かったことにあります。初場所優勝した玉鷲もこの部類に属します。だから初土俵から休場することなく連続出場が続けられたのではないでしょうか。したがって、今の力士に求められるのは、無暗に太ることだけを考えず、ケガをしないためには、体の礎となる強固な下半身を作って昔の力士のような均整のとれた体形にしていくことが必要なように思います。さて、難しいかな?