新宿御苑と玉川上水

台風一過の日、昼休み時間を利用して近くにある新宿御苑(写真A)に行ってみた。時間がないため、内までは入らず、周辺の道での散策であったが、そこで思わぬ発見をした。


新宿側の入口門から左方の車道に沿って「玉川上水内藤新宿分水散歩道」という名の散歩道があったのである。「玉川上水」という私にとって聞きなれた言葉に、やや何だこれは!と驚く。そして、しばらく行くと、道沿いに清流が流れている小さい溝渠(写真B)があり、立てられた看板(写真C)によれば、玉川上水の流れを偲ぶために整備したとある。


玉川上水と言えば、多摩川羽村取水堰から取水し、昭島や立川、さらに小平方面へ流れている小川(水路)であり、小平監視所で一部は地下水路を経て村山貯水池へ分流するが、本流は高低差を利用してさらに武蔵野台地をあちらこちらで分水しながら流れ、そのあとは確か四谷の方へ流れていると聞いていたが、その前にここに来ていたのだ。


この流れは四谷大木戸(現在の四谷四丁目交差点付近)に至っていて、江戸時代には米・味噌・酒などの物資の輸送や田畑への配水にも使われたと思うが、もっぱら飲料水用として役に立っていたのだという。昔の人は多摩川の水資源をうまく利用していたのである。

しかし、後でインフォメーションセンターの人に聞いたところによれば、今の溝渠は人工的に造ってきれいな水を流しているのだそうで、御苑の辺りに500m程しかなく、ここまでの途中に今も昔のような水を流すための水路や暗渠があるわけではないのだそうだ。もし、今でもあれば東京はもっと自然の豊かな地になっていた筈ですよ、と付け加えるのも忘れなかった・・・

(A)

イメージ 3

(B)
イメージ 1













(C)
イメージ 2